いまどき相談事例
クリーニングに出した合成皮革のジャケットが、ボロボロになって戻ってきた・・・
相談事例(1)
3年前に買った合成皮革のジャケットをクリーニングに出したら、表面の光沢が無くなって色褪せ、ボロボロにひび割れて戻ってきた。お気に入りのジャケットなので弁償してもらいたいが、クリーニング取次店は「取扱い表示の通りにクリーニングしたので、店に責任は無い」と言っている。
相談事例(2)
ワイシャツ5枚をクリーニングに出したが、一昨日、受け取りに行くと4枚しかなかった。「残りの1枚は、探しているので待ってほしい」と言われたが、まだ連絡が無い。見つからなかったら、補償してもらえるのだろうか。
相談事例(3)
インターネットでクリーニングを申し込み、ダウンコートを4着送ったが、襟や袖口の汚れが落ちていないし、異臭もする。洗い直してもらいたいが、連絡が取れない。
アドバイス
~預けるときのチェックポイント~
●クリーニングに出しても、衣類が新品状態に戻るわけではありません。衣類は、経年劣化を起こします。合成皮革製品や、ポリウレタン等を使った製品は、クリーニングで劣化が一気に表面化して、ボロボロになることもあるので、購入時期を店に伝えて処理方法を相談しましょう。
●ドライクリーニングでは、汗などの水溶性汚れを落とし切れないことがあります。残った汗の成分が素材に作用し、変色やシミの原因になることもあるので、着用時の状態を伝えて最適な処理方法を提案してもらいましょう。
~受け取るときのチェックポイント~
●なるべく早く引き取り、枚数や仕上がり状態を確認しましょう。
●仕上がり品に使われているビニールの包装やカバーは、収納用ではありません。ビニールをかけたままにしていると、変色やシミを誘発することもあるので、外して収納する習慣を付けましょう。
~クリーニング事故が起きたら~
●クリーニング事故の発生に気付いたときは、すぐにクリーニング店に連絡し、説明を求めましょう。
●「Sマーク」(各都道府県の生活衛生営業指導センター登録店)や「LDマーク」(クリ―ニング生活衛生同業組合加盟店)を表示したクリーニング店では、クリーニング事故が起きたとき、「クリーニング事故賠償基準」http://www.kanagawa-cleaning.or.jp/doc/standard.pdfに基づいて賠償することになっています。賠償額は平均使用年数や使用状況を考慮し、再取得価格と購入後の経過月数から算定します。
Sマーク
LDマーク
●紛失事故が発生し、上記の賠償額が妥当ではないときは、クリーニング代金から算定することもあります。
・ドライクリーニングの場合 クリーニング代金の40倍
・ランドリーの場合 クリーニング代金の20倍
●仕上がり品を受け取ってから半年以上が経過した場合や、クリーニングに出してから1年以上が経過した場合は、クリーニング事故賠償基準の対象外となるので、早めに対処しましょう。
~クリーニング店の選びかた~
●クリーニングには、ドライクリーニング、ランドリー、ウェットクリーニング等、複数の処理方法があり、衣類の素材や汚れの性質でクリーニング方法は変わります。クリーニングに出すときは、店頭で丁寧に衣類をチェックし、処理方法をきちんと説明してくれるお店を選びましょう。
●最近は、インターネットで申し込む「ネット宅配型クリーニング」のトラブルが増加傾向にあります。変色した、汚れが落ちていない、紛失した等、トラブルの内容は店舗型と似ています。ところが、クリーニングに出すときも、受け取るときも、事業者と消費者の双方で衣類の状態を確認することができないので、対応が難しい場合があります。
●ネット宅配型クリーニングでは、クリーニング事故賠償基準が適用されるとは限りません。衣類を送った後で、高額な費用を請求され、解約も出来ないというケースもあるようです。利用の際は、事業者のサービス内容や規約を丁寧に確認し、連絡先が明確になっているか等、十分な注意を払いましょう。